Triathlogue - トライアスローグ

札幌在住のホビートライアスリートによる日々のトレーニングの記録とトライアスロンについてのあれこれを書くブログ

オープンウォーターのスイムにおけるパニックについて

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トライアスロンでのトラブルのうち、よく話題になるのがスイムでのパニックだ。

他にもいろんな人がこのテーマについて書いているけれど、私の場合についても書いておきたい

パニック、ちょう怖い。けど大丈夫。

のっけから、これからトライアスロンをはじめようという人が引いてしまうような見出しにしてしまったが、率直に書くとどうしてもこうなってしまう。ホントなんだからしょうがない。でも大丈夫。克服できないわけではないし、パニックを経験したとしてもそのあとでちゃんとトライアスロンを楽しめるようになるよ!ということを伝えたくてこの記事を書いている。

はじめての大会、はじめてのパニック

トライアスロンをやろうと思い立って泳ぎはじめた話は以前記事にした。 

triathlogue.jp

続けていたらそれなりに泳げるようになったので、よしよしこれでトライアスロンに出れるぞ、と思って苫小牧ハスカップトライアスロンという大会にエントリーし、ついにトライアスロンデビューの日を迎えたのが2013年7月28日だった。

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スタート前はもうはじめてのトライアスロンに臨む興奮と、はじめてのオープンウォータースイミングへのちょっとした恐怖が両方あったなあ。試泳の時間もあったので、最初のブイあたりまで行って普通に戻ってきた。水があまりきれいじゃないなあとか、水冷たいなあとかはじめてのことばかりなのでとても新鮮だった。

スタートしてしばらくしてさっき試泳でたどり着いた最初のブイの手前あたりで息苦しさを感じはじめた。と思ったら途端に恐怖感が湧き出してきて、水に顔をつけることができなくなってるしまったので、小さなブイに捕まって休んだり、背泳ぎや平泳ぎで進んだりしながらクロールに戻ろうとするも怖くてとても無理に思えた。

前を向けるなら少しづつでも前に進もう

ライフセーバーの方に声をかけられたりしながらも少しづつ進んでいったら一周目が終わる頃には恐怖感もどこかに行き、しっかり泳ぐことができるようになった。ただ、残りのスイムの時間は「なんでこんな辛いことはじめちゃったんだろう…」と、トライアスロンの大会に出たことをただただ後悔しながら泳いでいた。

そんなこんなでなんとか1,500mを泳ぎきり、陸に上がったらもうふらふら。すっかりやる気を無くしていたけれど、泳ぎきったからにはリタイアするのはどうしても嫌だったのでよたよたとトランジションエリアに向かい、ウェットスーツを脱ぎ、靴下を履いて、バイクシューズを履き、ヘルメットをかぶり、バイクをラックから下ろしてマウントエリアに向かい、バイクにまたがった瞬間。

「よっしゃ、やったるで!」

と、いままで微塵もなかったやる気がフルスロットルで噴出してきた。

スイムであれだけ辛い思いをしておきながら、その後のバイクもランもいつもどおりに楽しく走れたのが自分でも驚きだったが、ゴールする頃には、恐怖のパニック初体験からはじめてのトライアスロン完走を迎えたことに感無量だった。

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いやあ、嬉しそう。というわけで、はじめてのトライアスロンは完走の喜びとともに、はじめて経験したパニックへの恐怖も味わったのだった。

その後もパニックは続く

結局完走してみればとても楽しい成功体験になってしまうわけで、そのあともいろんな大会に出場してはみたものの、その後も大会に出るたびにパニックを起こして同じような怖い思いをしていて、翌年の長良川ミドルトライアスロンでは300mほど泳いだところで恐怖心に耐えかねてリタイアしてしまっている。

結局パニックを起こさなくなるのは2015年の世界トライアスロンシリーズ横浜大会の時。スイムの前に胸につけていたGarminの心拍計のベルトがやけにキツく感じて、ちょっと緩めてみたのがきっかけかなといまでは思う。

なんだかんだパニックを克服するまで一年以上かかっていて、よくトライアスロンを続けたもんだなあと思うくらい。やっぱり毎回バイクまでたどり着いたら楽しくて仕方がなかったのだろうと思う。

パニックを起こさないためにできること

パニックを起こす原因はいろんなことが考えられるので、かならずしも「こうすればパニックを防げる!」という単純な解決策はないんじゃないかと思っているのだけど、いま思えばこういうことに気をつければもっとはやく解決したんじゃないかってことはいくつかあるので参考になればうれしい。

心拍数を上げない泳ぎ方をしよう

スタート直後は高揚感もあってか、とにかく張り切って泳いでしまいがちなのだけれど、ここで一気に心拍数を上げてしまうと急に苦しくなってしまったりしてパニックに繋がりやすいのではないかと感じる。

なので、最初はできるだけマイペースを意識しすぎるくらい意識して、のんびりとスイムに慣れることを第一に泳ぐのがいいのではないか。このあと長いレースの中でいくらでも挽回できるチャンスはあるので、最初から無理せずゆっくり行こう。

締め付けられてないかどうか気にしてみよう

ウェットスーツや心拍計などで必要以上に体、特に胸部を締め付けられていると、呼吸が苦しい感じが続いてパニックに繋がりやすいのではないか。スタート前にちょっとウェットスーツのジッパーを緩めたり、心拍計を装着する時にはどうせウェアで固定されるのだからかなりゆるゆるにしてつけるなどしてもいいかと思う。

私は心拍計の締め付けを緩めた途端にパニックが起きなくなったので、この要素が実は一番大きいのではないかと思っているくらいだ。

以下にスタート前にリラックスするか

スタート前に緊張していると、心拍数が急激に上がりやすいし何よりも恐怖心が芽生えやすい気がする。なので、スタート前は自分なりに考えうるあらゆるリラックス方法を実践しておくといい。ここまでやったんだから自分はリラックスしているに違いない!という根拠のない自信は大事。

大丈夫、きっと、うまくいく

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スイムでパニックになる可能性は確かにある。でも、それは克服できるし、対策もできる。

だから、きっとうまくいく。

人間沈むことはない

人間は体脂肪もあるし、肺という浮き袋も備わっている。おまけにウェットスーツを着ていればその浮力もあって、なかなか沈むこともできない。だから、不安だったらひっくり返って背泳ぎでもすればいい。そうすれば溺れることはない。なにかあってもライフセーバーのみなさんが見てくれている。

リタイヤは恥ずかしくない

それでも怖かったら無理しないでリタイアしよう。無理して取り返しがつかなくなるよりも、今日はリタイアして次のために備えることができる方がいいに決まっている。

【結論】パニックは怖い、でも克服できるよ!

繰り返すが、オープンウォータースイミングでのパニックは付きものかもしれない。でも、それは克服もできる。そうしたらトライアスロンという競技はとても楽しいものになるし、その楽しさを知る人が一人でも増えてくれたらとてもうれしい。

今年はもうエントリーできる大会はそう多くはないかもしれないけど、来年のシーズンに向けて、興味を持った人がすこしでもスイムのトレーニングをはじめて、ここに書いたことを気に留めてくれたらいいなあと思う。

来年あるいはいつか、どこかの大会で一緒に楽しみましょうね!