Triathlogue - トライアスローグ

札幌在住のホビートライアスリートによる日々のトレーニングの記録とトライアスロンについてのあれこれを書くブログ

IRONMAN 70.3 Hawaii 2024 参戦記

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私にとってはじめての海外レースとなる Ironman 70.3 Hawaii 2024 に参戦してきたので書いていくよ!

www.ironman.com

これから海外のトライアスロンレースに参加したい人たちの参考になるとうれしいなー

Day 1 - Flight day

ハワイ島までの長い道のり

レースに参加するためには、まず現地へゆかねばならぬ。私は北海道の札幌に住んでいるので、レースが開催されるハワイ島までたどり着くためには、

千歳 - 羽田 - ホノルル - コナ

と、飛行機を乗り継いでゆくことになる。

荷物はこんな感じ。

自転車はいつもの Scicon Aerocomfort で梱包。

それ以外の荷物はいつもならMontbellのバックパックにいれるのだが、国際線でバックパックを預けるのはちょっと抵抗あるかなー、ということでRIMOWAの大容量のスーツケースをレンタルした。

www.ry-rental.com

スーツケースもけっこう高いので、めったに使わない大容量のものはレンタルで済ませるのが便利だね。そんなに高くないし。

千歳の国際線乗継便カウンターでチェックインしたら、あとは飛ぶだけ。

今回は羽田経由だったのでいつものターミナル。しかも国際線ターミナルじゃなくて第2ターミナルからの出国だったので出国手続き以外はあまりいつもの旅行と変わらなかったw

久しぶりのハワイだ!

羽田から飛び立ってちょっと寝て起きたらもうそこはホノルル。

ここで入国手続を済ませ、預けた荷物を一旦ピックアップして乗り換え。スーツケースは到着ターミナルを出てすぐに預けられるところがあったのだが、自転車は別途手続きが必要なので出発ターミナルまで持っていく必要があった。

紙にいろいろ記入して自転車を預けたらあとはまた飛行機に乗るだけ。と、その前に小腹がすいたのでちょっとだけピザw

そして飛び立ったと思ったらあっという間に着陸する短いフライトを済ませるとそこはもうハワイ島。

フラダンスの少女たちが出迎えてくれる。

預けていた荷物をピックアップしたら、予約していたレンタカーに乗ってホテルまで。今回はWestin Hapuna Beach Resort という Mariott 系列のホテルに投宿。部屋からの景色が最高なんであるここ。

時差もけっこうあるので、この日は明日以降のスケジュールに備えてホテルでのんびりすごした。と入ってもぜんぜん時差が取れずにこのあとずいぶんと苦しむのだがw

Day 2 - Athlete Check-in

まずは会場でアスリートチェックイン

2日目は会場となる Fairmont Orchid, Hawaii に出向いてアスリートチェックイン。

会場に入るともうそこはIronmanの雰囲気満載で気分が盛り上がる。

Registrationのサインのあるドアの中に入ると、Tシャツやウェアなどのいろんなグッズが販売されているコーナーがあって、盛り上がっちゃってるもんだからいろいろと買ってしまうw

そしてその関所を通り過ぎるとホンモノのアスリートチェックインが。係員のみなさんがみんな陽気でとても楽しい。

QRコードと写真付きID(私の場合はパスポート)を提示すると、リストバンドを装着して配布物と記念品のバックパックが手渡される。

こいつの中身はのちほど。

そしてこのバックパックは容量もあってけっこう便利。常用するのにちょっと抵抗はあるけれどw

さて、どんな会場なのかな

会場内をぐるっとひと回りすると、参加者の名前が掲示されたパネルや、

申込時に添えられたメッセージを掲示したパネルがあった。

いやあ、せっかくだから私もなにか書いておけばよかったなあ…。

そして、レースの舞台となるところも見に行くと、鋭意設営中であった。

スイムの会場となる海。水がホントきれいで気持ちよさそう。

ここは当日ステージになっていたところかな。

この柵の中がトランジションエリアになるんである。

バイクラックはよくあるサドルを引っ掛けるものじゃなくてタイヤを固定するタイプだった。設営も楽だしブラブラしたりして隣のバイクと絡まったりしないからいいなあと思った。

受け取ったものをみていこう

アスリートパッケージの中身はこんな感じ。

スイムキャップ(ナンバーが手書きなのがほっこり)、ゼッケン、バイクやヘルメット、バッグなどに貼り付けるためのステッカー。あと、本人が受け取れない際にバイクなどを他の人が受け取るためのチケット(使わないに越したことはないけれど)が入っていた。

そしてバッグが3つ。

グレーがレース前に脱いだりしたものを入れておくバッグ。そこまで履いていた靴とかを入れておく。

ブルーがバイクで使用するものをいれるバッグ。今回は

  • ヘルメット
  • サングラス
  • 靴下
  • バイクシューズ
  • ゼッケン

を入れておいた。

レッドがランで使用するものをいれるバッグ。中には

  • キャップ
  • ランシューズ
  • ジェルなどの補給食

を入れておいた。

この日は早めに用事を終えてちょっとだけ観光したりのんびり過ごしておいた。でもまだ時差が取れなくて昼過ぎからはもう眠い眠いw

そんなときはきっとビールがすべてを解決してくれる(しなかったけどw)

Day 3 - Bike and gear bag check-in

バイク預託

そして3日目。自転車と昨日準備しておいたバッグ類を携えて再度会場に赴いてバイクとバッグ類の預託を。

会場に行くともうトランジションエリアの設営はちゃんと終わっていて、こんなゲートが設置されていた。気分盛り上がるなあ!

ギアバッグ類にはレース当日の朝はちょせない(北海道弁)よ!という表示が。

あらためて入れ忘れのものがないか確認しちゃったじゃんw

私が到着したときには半分近くのバイクラックが埋まっていたかな。トライアスリートたちの朝ははやいのだ。

自分のレースナンバーを見つけてバイクを設置。

ギアバッグ預託

やっぱりこのバイクラックはとてもいいな。日本でもこのタイプが普及するといいなーと思った。バイクの設置が終わって先に進むと…、

ランバッグの預託コーナーと、

バイクバッグの預託コーナーがある。これで明日まで中身には触れることができない。

アンクルバンド受取り

そして先に進むとテントが設置されていて、

ここでアンクルバンドを受け取る。

はじめて見るタイプのアンクルバンド。日本だと輪ゴムで上から止めるのだけど、ここでは「安全ピンで止めてね!」って言われた。ちょっと怖いけどまあ取れる心配はたしかにないよね。

チェックインはすべて終わったのでまた会場を見て回ると、フィニッシュゲートの設営が進められていた。明日は絶対ここに帰ってくるんだ…!

ホテルに続く入口の途中には小石を並べて作った IRONMAN 70.3 HAWAII のロゴが!こういうのも参加者の気分を盛り上げるよねえ…!

海外レースでは食料調達の勝手がぜんぜん違うぞ!

この日は会場近くのスーパーマーケットで夕食と翌朝の朝食を購入。

日本であればホテルの近くにコンビニが必ずあって、翌朝レース前に食べるおにぎりとかいろんなものが手軽に購入できるし、どんなものがあるのかがだいたい予想つくので何も考えずに済むのだが、ここは米国ハワイ州。スーパーマーケットで翌朝食べられるものを…、と思って探してもアメリカ寿司とかしかないのである。

まだアメリカだから英語通じるしお寿司も売ってるけど、これがまた違う国だったとしたら途方に暮れる可能性もあるな…、と思った。なので、海外のレースに出る際はこのへんのリサーチをちゃんとしておいたほうがいいかもしれない。

Day 4 - Race day!

トライアスリートの朝は早い

さあ迎えた6月1日、Race Day!

ホテルを出る時点ではこんな空。ウェアの上からウインドブレーカー着ようかなと思っていたのだけど、そんなの必要ないくらい。ただ、めっちゃ風は強かったので「バイク大変だろうなー」くらいに思っていた。

まずは車で会場に向かうのだが、レース会場近くに駐車場が設営されているのでそちらに駐車してから、

シャトルバスで会場に向かうのだが、そのシャトルバスがなんと…、

スクールバスなんである!いやあ、これは楽しい!

って、おそらくだけど米国内では日本のような観光バスがあまり存在せず、バスと言えば Amtrak などの路線バスかスクールバスくらいしかないからこういうときに駆り出されるのは土日で動いていないスクールバスになる、という感じなのかな。とはいえ普段は乗れない、映画でよく見たあのアメリカの黄色いスクールバスに乗れるのはとてもうれしい体験だったなー。

まずはトランジションエリアに

バスを降りたらまずはトランジションエリアに向かおう。

昨日通ったゲートから入場すると、

みんなすでに準備に忙しい。

人も自転車も昨日預託に来たときよりもすごく多くなっているので自分の自転車がどこだったか見失いそうになるけど、

ちゃんと見つかったw

さあ、スタート地点に向かおう

空気圧のチェックなど、自転車の準備を済ませたら、

スイムスタート地点に向かう。

スタートからスイムまで

ここから先はスマホを持っていないので、ゴール後までは写真はなし。

朝から風が強いなーと思っていたのだけど、スタート地点まで行くとアナウンスで「強風のためスイムコースの安全が確保できないので、今日のスイムは約750mに短縮されたよ!」ってしきりに伝えていた。スイムが不安だった私にとっては朗報ではあるけれど、周りのトライアスリートたちは「半分もないじゃん!」って不満げ。まあ大会事務局が決めたことなので粛々と従うしかないわけだけど。

スタート時間が近づくと参加者が整列しはじめる。知らない者同士だけどけっこう話したりして楽しい。そうこうしているうちにスタート時間を迎えるのだが、5秒毎に2人のローリングスタートなのでぜんぜん進まない。6:45にスタートしたのだが、私がスタートできたのはもう7時をだいぶ過ぎていた。

だいぶ待ちくたびれてからのスタートとなったが、砂浜から水に入っていくとすでに水温はあたたかくて気持ちいい。書き忘れていたけれどこの大会は基本的にウェットスーツ着用が認められていない。なので、私にとっては生まれてはじめてオープンウォーターをウェットスーツなしで泳ぐ大会となった。若干の不安はあったものの、泳ぎはじめたらあまりにも水がきれいで気持ちよくてパニックの予感もなにもなくあっという間にスイムが終わってしまった。

トランジションで悲劇は起こる

スイムから上がってトランジションエリアまではちょっと距離があるので小走りで向かう。

浜辺から芝生のエリアに入ると、ギアバッグを渡してくれるエリアがあって、若いボランティアたちが楽しそうに「○○番きたぞー!」とか元気に連携しながら昨日預けたバイク用品を入れたバッグを手渡してくれる。

バッグを受け取ったらみんなその近くの芝生で座ってそれぞれバイクの準備をしているので、私もそれに倣ってみた。でもきっとあわてていたんだろうな…、ここで痛恨のミスを犯してしまう。せっかく入れてあったサングラスを取り出し忘れて、スイムキャップやゴーグルといっしょにまたボランティアさんに手渡してしまった…。

バイクのおいてあるところについてはじめてその事に気づいたのだが、もう戻ることはできないしそのまま行くしかない。このバッグにはゴールしてからしかもうアクセスできないので、バイクだけではなくランもサングラス無しでこなさなければならないのであった…w

バイクは襲いくる強風との戦い

トランジションエリアを出てしばらくはマウナ・ラニ・リゾートの敷地内を走るのだが、この段階で今日の風がタダモノではないことに気付かされた。私の貧脚でも追い風で40km/h超え、逆に向かい風だとどう頑張っても20km/h台前半でしか巡航できない…。

そしてリゾートを出て一般道を北に向かう区間はとにかくずっと向かい風。左に海を見ながら走るのだが、右側の山が途切れると強烈な横風が襲ってきて前輪が煽られてとても怖い。まだスピードが出ていないからいいものの、気を抜いてると転倒しそうになるし、交通規制があるわけではないので追い越してゆく一般車と接触するかもしれないと思うとマジで気が抜けない!

ところどころ存在するエイドでは、口を引っ張ると開くタイプのペットボトルで水やゲータレードなどが手渡される。とにかく暑いのでひたすら水を受け取って飲むついでに頭や身体にかけまくっていた。ヘルメットから流れてくる水のしょっぱいことしょっぱいこと。かなり塩分失われてるな…。ということでたまにゲータレード。塩分補給のタブレットも自転車に乗せておけばよかったなー。

奮闘するもスピードが上がらないので時間の経過もとても遅く感じるので、折り返し地点に到達する頃にはもうへろへろ。やっとの思いで折り返すとこんどは長い下り坂!これまでのストレスを解消するように追い風下り坂でヒャッホーイ!と疾走していたのだが、このとき私はときおり発生する強烈な横風のことをすっかり忘れてしまっていた。高速で坂を下ってるときに急に横風に煽られるとマジで怖いな…。道路が荒れているところや、後ろから他のバイクが迫っているときなんかはホント落車するかと思った…。

そして、行きよりは風の抵抗があまりない分スムーズではあったが、ここまで暑い中必死で風に抵抗してきたのでスタミナがかなり削られていてバイクのゴールまでがとても長く感じたな…。実際にバイクパートだけで4時間ちかくかかってしまっていたし…。マウナ・ラニ・リゾートの入口が見えてきたときはホッとしたなあ…w

ランは終始ヘロヘロ、でも楽しかった…!そしてエイドでは衝撃のアレが…!

そしてトランジションエリアでバイクを置いたら、ラングッズのバッグを受け取って最後の種目に!

コースはホテルに隣接したゴルフ場のフェアウェイを走る設定で、芝生がきれいでふわふわで走りやすい。ただ、日陰がぜんぜんないので、エイドで水をかぶってビショビショになっても走っているとあっという間に乾いてしまう。

終始ヘロヘロで、一周目こそほぼ走れていたけれど、二周目に入ったら半分くらい歩きになってしまった。それでもまったく同じZootのウェアの参加者とすれ違って挨拶したり、近くの参加者とちょっとした会話をしたりと、あまり日本の大会ではないことを楽しみながら進んでいた。一番笑ったのはコース脇で応援している人が「Don't trust. Fart 2 miles ahead!」って書いた段ボールを持っていたやつ。思わず反応してその人とニヤニヤしてしまったw

あと、エイドでポテトチップス配っていたのはびっくりしたなあ…。塩分と糖質取れるのはわかるけど、走りながら脂質ほしいとはあまり思わないもんなあ…。アメリカだなあ…w

そしてゴール!

暑さでフラフラになりながらも、淡々と歩みを進めて(走らんのかい…)ゴールした。

当初は6時間台でゴールしたかったのだが、7時間を超えてもなかなかペースがあげられなかった。それでも7時間30分は切りたい!というのは必死で食らいついて、なんとか7時間29分でゴール。トレーニング不足や暑さ、風を考慮してもあまり満足の行くタイムではないが、初の海外レースを完走した感動が大きかった。

ゴール後は完走メダル、完走Tシャツとキャップなどのグッズを受取り、しばらく芝生の上で休憩。

このホヌのメダル、ホントかわいくていいなあ。ずっしりとした重量感もとてもいい。

さーて帰ろう!しかしここでトラップがw

体が落ち着いてきたのでバッグを受け取ってシャトルバスにのって駐車場に。

車に乗ってエンジンを掛けてエアコンの冷たい風に当たるととても気持ちがよかった…。

で、バイクを預託したときと同じように車でホテルの駐車場に向かおうとすると、警備員にダメって言われてしまう。聞くと、バイクのピックアップのためにホテルの駐車場は使えないよ、とのこと。えええ!

仕方がないのでまた駐車場に戻り、シャトルバスで会場に。そしてバイクをピックアップしてそれに乗って駐車場まで向かうことになった。まあもうレースじゃないし坂があったりするわけではないのでいいんだけど、もう休めると思っていたところにこれはけっこうきつかったなあw

やっとの思いで車にバイクを積み込んで、ホテルにもどり、シャワーを浴びて、ここでやっとビール!いやあ最高に美味かったなあこのビール…!

そしてこの日は疲れもあって夕食後にあっという間に就寝。

Day 5 - Recovery day...

レース翌日。思ったより筋肉痛はないものの、全身を包み込むような疲れがあって終始ぼんやり。それでもお腹はすくし、時間ももったいないからちょっと近くのショッピングモールまで車を走らせてハンバーガー食べたり

コーヒー飲んだり

そんなかんじでゆっくり過ごして回復に努めた。

Day 6 - Going back

そして6日目、やっと帰国!

ついたときにもご挨拶したフラダンスの少女たちにご挨拶して、ビールを飲んだりしながら登場待ち、そして乗り継ぎ時間もあまりなかったホノルルでもラウンジで無理やりビール飲んだり。飛行機で飲めるのに…w

こうして私の初海外レース、IRONMAN 70.3 Hawaii 2024 の旅は幕を閉じた。ほんと楽しかったのでまた出たい!なにしろ日本の大会とは運営も参加者の雰囲気もぜんぜん違って、きついけど終始にこやかに過ごせたのが印象的だなあ。来年も来れるかな…。