ジムが営業再開したから Zwift ランも再開しよう!でも…
以前書いたとおり、Zwift は自宅の固定ローラーで自転車を漕ぐだけじゃなくて、ジムのトレッドミルでのランでも使える。そしてわりと楽しい。
リンク先の記事ではトレッドミル上で走っているスピードやケイデンスを検知するために、Zwiftのフットポッドを購入して使っていた。ところがこのフットポッド、ひとつ大きな問題があった。それは、「あっという間に電池が切れる」ということだ。6月に入って契約しているジムも営業が再開したので、では久しぶりにトレッドミルで Zwift ランでも、と思ってジムに行き、トレッドミル上に iPad をひらいていざ Zwift をひらいてみると、センサーとの接続ができない。足元を見ると、いつも点滅しているフットポッドのLEDライトが付いていない。ああ…。
ならば、違うデバイスも試してみるか
というわけで、普通にトレッドミルでのランだけで帰ってきたのだが、フットポッドは電池を入れると常に通電しているのか、しばらくほっておくとこんな感じで使えなくなっていることが多い。と、思っていたら先日 Wahoo の Tickr X という心拍計ベルトを使って Zwift ランでケイデンスと速度も検知してアバターが動くよ!って記事を読んだことを思い出したので、試しに買ってみた。
ほどなくして届いたのがこれ。
このパッケージをひらいてみると、
こんな感じでセンサーとベルトが収められている。
センサーの裏側にスナップボタンのオスが2つ、ベルトの両端にそれぞれスナップボタンのメスがついていて、パチンパチンとはめるとループ状になる。長さを調節するのもだいぶ幅があって細身の人からがっちり目の人まで広く対応できそうだ。
いままでのGarminの心拍計はどうするの?
これまで心拍計は Garmin の HRM-Tri というものを使っていて、
これは水中でも心拍を記録して終了時に Garmin デバイスにデータを送信してくれるというものだ。他にも、ランのときの上下動や足の左右の接地バランスのデータなども取れるなど、トライアスロン三種目を通じて(バイクは心拍数だけかw)さまざまなデータを取ることができる。なので、普段 Garmin を使ってトレーニングしたりトライアスロンのレースに参加したりするときは今まで通りGarmin の心拍計を使おうと思っている。
もう売ってないっぽいけど、ラン用のフットポッドもGarminのが電池の持ちもよくってコンパクトでいいのだ。
Bluetooth と ANT+ のダブルバンド対応
今回購入した Tickr X は、デバイスとの通信規格として Bluetooth と ANT+ の両方に対応している。なのでいつも使っている Garmin のデバイスでも使用できるし、iPhone や iPad などでも使うことができる。ふだん自宅やジムでは iPhone でトラッキングしたり Zwift を楽しんだりしているが、レースでは Garmin も使うなど、両方の通信規格の環境を使い分けている人にはとても便利な品物ではないかと思う。
同じように Wahoo の製品で「BLUE SCスピード/ケイデンスセンサー」というバイク用のスピード/ケイデンスセンサーがあって、これも Bluetooth と ANT+ 両方に対応している。
センサー類をすべてダブルバンド仕様にしておけば、大体のトラッキングデバイスや iPhone などのアプリに対応できるのでとても便利ではないかと思う。私のバイクもそのうちそうしようかな…。
ホントに心拍ベルトで速度やケイデンスが測れるのか?
Tickr X について、私の興味と疑問はこの一点だった。
フットポッドならまだわかる。足の動きである程度の歩幅やケイデンスは取れるので、キャリブレーションでユーザーの動きの癖などと照らして修正すれば大体の速度がわかるよ、というのはまだわかる。
ところが、Tickr X は胸部に装着する心拍ベルトだ。いくらなんでも速度によって胸部の動きが変化して速度まで出せるというのはちょっと理解できない。いや、別にセンサーに詳しわけではないけれど、なんとなく感覚的に理解の範囲外だということだ。
というわけで試してきた
届いてすぐにさっそくジムに持ち込んで試してみた。
使用したのはいつもジムでの Zwift ランに使用している iPad だ。Tickr X を装着してトレッドミルに iPad を起き、Zwift を起動してセンサーを選択する画面に遷移すると、
ちゃんと認識して接続された!
みての通り、スピードセンサーも心拍計もケイデンスセンサーもしっかり認識している。
ランスピードの横のレンチのアイコンをタップするとキャリブレーション画面に移るので、そこでセンサーのキャリブレーションを行う。
いつもどれくらいで走っているかを選択してキャリブレーションを開始すると…
動かない…!
Zwift で動かす前にまず Wahoo Fitness アプリでのキャリブレーションが必要だった!
あれー、なにも動かないよ、と思ってトレッドミルの上で歩きながらいろいろググっていると、「まずは Wahoo Fitness アプリでキャリブレーションしてから」との情報を得たので、
このアプリを iPad にインストールして立ち上げたらすんなりキャリブレーションが進んで無事完了。うれしさのあまりスクリーンショットを取り忘れたので割愛するが、難しい設定はなくて指示されたとおりに自分なりのゆっくり、ふつう、はやめ、それぞれの速度でトレッドミルを設定して2分走ってその時速を入力するだけだ。
動いた、動いたよ!動いてしまえばけっこう正確で有能じゃないか!
Wahoo Fitness 上でのキャリブレーションを完了してから Zwift を立ち上げてみると、無事に速度とケイデンスまで数値が検知されている。ここでもうれしさのあまり Zwift 側でのキャリブレーションを忘れてしまったのだが、ランを開始しておもむろにトレッドミルを動かしてみると、
動いたー!無事自分のアバターが走りはじめた。速度もそれなりに上下はするもののだいたいトレッドミルのスピードからはそう大きく外れてはいない。このへんはあまり正確さを気にするよりも、Zwift を気楽に楽しむくらいでちょうどいいのではないかと思う。しょせん実際に外を走るのとはちがうのだから。小さいことは気にしないのだ。
ジムのトレッドミルは予約制で一時間しか使えないのだが、今回は最初の設定に手間取ってしまってぜんぜん走ることができなかった…。でもこれでもう設定に時間を食うことはないので、雨の日などはもっとジムでの Zwift ランを楽しもうと思う。
Garmin HRM-Tri と Wahoo Tickr X
今まで使っていた(もちろんこれからも使うんだけど)Garmin の HRM-Tri と比較してみると、取れるデータの種類は HRM-Tri の方が多いし、スイムでの心拍数が計測できるというのは大きな強みだ。一方 Tickr X はダブルバンド対応で ANT+ だけではなく Bluetooth デバイスとも接続できるのでいろんなデバイスで使いたい人におすすめ。あと、HRM-Tri はセンサーも一体型で洗うときは手洗いしなければいけないが、Tickr X の方はセンサー部分を取り外すことができるので、汗で汚れたベルト部分は他のウェアと一緒に洗濯機で洗えるのはとてもラクだ。
設定は手順が多いけど、済ませてしまえばけっこう有能なヤツ
複数のアプリで設定しなければいけなかったりと、実際に使い始めるまでにはちょっと他のセンサーよりも手間がかかるのは面倒ではあるが、その面倒な設定を済ませてしまえば Tickr X は Zwift ランを楽しむのにとっても有能な道具となるかな。もちろん ANT+ で Garmin デバイスともつながるので外を走る時も、自宅での Zwift ライドでも使えるので、かなり使える道具になる。
心拍計を持ってないけどどれがいいかな、と思っている人には今後のデバイスの選び方の幅も広がるのでとてもおすすめしたい製品だった。気になったらぜひ購入して試してみてほしい。