Triathlogue - トライアスローグ

札幌在住のホビートライアスリートによる日々のトレーニングの記録とトライアスロンについてのあれこれを書くブログ

トライアスロンウェアの選びかたと、ちょっとした疑問について考えてみた

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続けて3種目をこなすトライアスロンの時に着るウェアにはいろんなことが要求される。

スイムでは水、それも大半の大会では海水に濡れることになるし、バイクでは空気抵抗を抑えた上でサドルと臀部のあいだのクッション性もそれなりに求められるし、ランのときには、えーと、なんかあるだろ

なので、トライアスロンウェアってものがいろいろ売られているのだけれど、求められるものが多い上に競技人口が少ないもんだからけっこういいお値段になるものが多い気がする。それでもいくつかのメーカーからいろんなウェアが発売されているので、選択肢はけっこうおおいのだ。

どんなウェアがあってどう選べばいいのか、私もなかなかこれといった結論は見いだせていないのだけれど、いくつか悩みどころがあるのでそれをちょっと整理してみたい。

トライアスロンウェアに求められること

軽量

オリンピックディスタンスでも2〜3時間強の競技中にずっと着用しているものなので、当然軽いに越したことはない。スイムはともかく、自転車もランも軽いほうがとにかく有利だし、多少なりとも負担は軽いに越したことはない。

速乾性

ウェットスーツを着ているとはいえ、スイムパートでは当然ウェアは海水で濡れることになる。もちろんレース中には大量に汗もかくし、気温の高い日の大会では水をかぶったりして体を冷やすこともよくある。速乾性があれば気化熱で体を冷やす効率もよくなるし、濡れたままのウェアで走り続けるのはあまり気分のいいものではないからなるべく早く乾いてくれたほうがいい。

空気抵抗

バイクパートではバイク自体に空気抵抗の少なさを追求する人も多いし、DHポジションで空気抵抗を減らす姿勢で走ったりもする。なのでウェアも空気抵抗のなるべく少ないものを着たい。それで何秒変わるのかはわからないけどw

クッション

通常のロードバイク用のレーパンみたいなパッドは水分を吸ってしまって重くなるので、トライアスロンウェアではちょっと小さめのパッドが用いられることが多いが、多少なりともお尻にクッションがあったほうがいい。

トライアスロンウェアの選び方

トライアスロンウェアとして売られているものはだいたい上記の条件は満たしているが、それでもいろんな選択肢がある。どんな切り口があるか、まとめてみることにする。

上下セパレート?トライスーツ?

トップスとボトムスが別になっているウェアと、上下一体型のトライスーツなどと呼ばれるものがある。

上下セパレートのもの 

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これは昨年ハワイ島にいった時に立ち寄ったバイクショップで売られていたZootのもの。さすがはIRONMANの聖地である。思わず購入してしまった。

手に入りやすいところでいくと、

といったところか。

上下一体型のトライスーツ

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このように上下がつながっている。

2XU メンズ 長距離トライスーツ M ブラック
 

 

これは完全に好みの問題ではあるのだけど、上下一体型のトライスーツには数少ない例外を除いてひとつだけ大きな問題がある。

それはおトイレ問題だ。

上下繋がっているので、トイレに行こうと思ったらジッパーを下ろして上半身から全部脱がないといけないのだ。モノによってはメンズのウェアには股間部分にスリットが入っていて、小用なら足せるものもあるが、私が持っている2XUのトライスーツはそれがない。同じ2XUのトライスーツでもスリットがあるものとないものがあるようだ。購入するときは実際に見て確認したほうがいいかもしれない。

スタート前にトイレに行きたくなったら、あるいは、競技中にトイレに行きたくなったら、ということを考えるとたぶんもう私はトライスーツは買わないな…。男性ですらそうなのだから、女性の場合はどうなんだろう。教えて下さいともいいづらい…w

袖なし?袖あり?

以前はノースリーブのウェアが主流だったが、最近は半袖のウェアが増えてきた。

私はまだ半袖のウェアを持ってないので写真はないんだけど、Amazonで探すといろいろ出てくる。

袖なしのウェア 
 袖ありのウェア

トライアスロンは基本的に屋外で行うものなので、日焼けは避けられないスポーツだ。日焼け止めを塗る人も多いけれどみんなが塗っているわけではない。日焼けすることで疲労がどんどん蓄積するのですこしでも太陽光にさらされる面積を減らすことで余計な疲労を軽減しようという理由らしい。特に3種目の中でもいちばん競技時間の長いバイクで肩から上腕にかけてをカバーするとだいぶ違うらしい。

スイムの時の肩の動きに影響しないのかなあとか、あまりトライアスロンぽくない(偏見です)んじゃないか、とか、いろいろ思うところはあるのだけれど、ちょっと試してみたいところではある。そんなに違うものなんだろうか。

フロントジップ?リアジップ?

そして最大の問題がこれだ。なぜこれが問題か。

あれあれ?ルールでジッパーの位置が制限されているぞ?

JTUの競技規則の第39条4項目にこういう記述がある。

ジッパーは背面に設けその長さは40cm以内とする。ユニフォームの前面にジッパーを設けてはならない。ただし、ミドル、ロングディスタンス大会では前面にジッパーを設けることができる。

https://archive.jtu.or.jp/jtu/pdf/JTU_COMPETITIONRULES_20190108.pdf

これはJTU(公益法人日本トライアスロン連合)の競技規則だが、ミドル、ロングの大会を除いて、つまりオリンピックディスタンスの大会においては、ウェアのジッパーは背面になければならないと。えーちょっとまってと。

ちなみにITU(国際トライアスロン連合)の競技規則にも、2.8 Uniform:ユニフォーム c.) (viii) の項に以下のような記述がある(JTUのサイトに掲載の和訳つきのものを参照した)

If the suit has a zipper it must be located at the back and will not be longer than 40 cm. This rule does not apply for middle- and long- distance events and PTWC athletes in all distances;


スーツにジッパーがある場合は、背中部分になければならない。またそのジッパ ーの長さは40cm 以内にする。この規則はミドルおよびロング大会と全ての距離 におけるPTWCの選手には適用しない。

https://archive.jtu.or.jp/marshal/pdf/itusport_competition-rules_2019.pdf

Oh, what the hell...?

それぞれの大会でルールを定めていることもあるが、基本JTUのルールに則って行われる大会が多いので、競技説明会などでもジッパーはリアジップでと説明されることが多い。

リアジップのウェア、そんなに売ってなくない? 問題

でもAmazonでも楽天でもWiggleでもいい、トライアスロンのウェアを検索してみると、リアジップのウェアのなんと少ないことか。大会で他の人のウェアなどを見ていても、リアジップのほうが少数派だったりする。ルール違反のウェアが市場でも現場でも多数派なスポーツって他にある?

トライアスロンでは必要以上の肌の露出をよしとしない文化があるようなので、フロントジップ禁止というのは理解できなくもない。フロントジップの場合は競技中や終了後も含めて下ろさないように指導される大会が多いように思う。リアならいいのか!って思うけど、私もリアジップの場合は競技中もまったく上げずに過ごしている。が、マーシャルに注意されたことはいまのところまだない。

ただ、男性の場合リアジップの服を着る機会ってトライアスロン以外はあまり例がないんじゃないかなあ。私も何着かリアジップのウェアを持っているけれど、自分でジッパー上げたり下げたりするのはちょっと難儀する。お前の方の柔軟性が足りないからだ、というツッコミは甘んじて受けよう…。

結局、どっちかえばいいのさ?問題

えーと、なので、どっちを買えばいいのかってのはよくわからない。あまり安い買い物ではないので複数買うってのも初期投資がそれなりにあるスポーツでは最初のうちはためらわれるものだろうと思う。いまのところどっちでもよさそうだけど、一応ルールとしてはITU、JTUともにオリンピックディスタンスではフロントジップは認められていない、ということは知っておいたほうがいいとは思う。

そうだ!もう一つ問題があった!

書いていて最後に思い出したのだが、トライアスロンウェアって作っているメーカーも少ないので、大会で他の人とウェアがかぶりまくることがほんとに多い。特に2XUのウェアはみんな着てたりするので、スイムから上がっても応援する人が誰が自分が応援する人なのかわからない、って事もあったりする。チームでオリジナルのウェアを作っている人もいるけれど、私のように一人ぼっち(孤独感を強調したよ)で大会に参加することが多い人はそうもいかない。

Wiggleがわりといろんなウェア揃ってていいかもしれない。

願わくばもっと安くてデザインのバリエーションもたくさんあってカッコいいトライアスロンウェアが増えてくれますように…。