おととしチューブレスホイールに変えてから、はじめてパンクしてしまった。
これまでも走行中にパンクしたことはあんまりなくて、思い返せば実に7年ぶりくらいの路上パンクだった。びっくりしたなあもう。
で、チューブレスの場合、きちんと「やってあたりまえの対策」をやってないとどんなことになるか、あと、チューブレスのタイヤ交換ってわりと大変、ってことがいろいろわかったので、今後のためにもきちんとまとめておこうと思って記事にしてみた。もちろんトラブルが起きてから一連の紆余曲折のあいだも「しめしめ、blogのネタができたぜ」ってニヤニヤしていたことは言うまでもない。
新型コロナウイルス感染拡大後、はじめての自転車イベントに参加した
今年は新型コロナウイルスの影響でぜんぜんトライアスロンの大会もそれ以外のイベントもなくて寂しい限りだったのだが、毎年開催されている「Tour of KAMUI」というサイクリングイベントが少人数限定で感染対策を施した上で開催されるとのことだったので、イベントに飢えていた私は即申込んでしまった。
当日朝集合場所に着くと、パラパラと参加者の姿が。
受付にもちゃんと消毒液が。
ブリーフィングもこんな感じでソーシャルディスタンスを保ったかたちで。
走行中と食事の時以外はマスク着用で、というルールで少人数で、というこの状況下で最大限の対策をしてサイクルイベントを開催するとどうなるか、試験的にやってみましたという感じ。いいぞ、どんどん試行錯誤してやればいいんだと思う。
この日はガイドさんを先頭に30kmの超フラットなコースをのんびり走るという組み立て。
ところどころで休憩をはさみながらなので、初心者でもゆるゆると参加することができる。
ここでおにぎりなどで腹ごしらえ。
いやあ、ゆるゆる走るのも楽しいなあ、なんて思いながら後半気持ちよく走っていたら、油断して大きめの石をごりっと後輪で踏んでしまった。やっちゃったなー、って思いながら走ってたらなんか後輪からの振動がヘン。おそるおそる覗いてみたら、おやまあぺちゃんこではないか。
とりあえず走行を止めてタイヤをみると完全に空気が抜けている。試しに小型ポンプで空気をいれてみるとぜんぜん入らない。スタッフの人がきてくれて応急処置的にパッチを貼ってみたりもしたのだけど、まったく役に立たずあえなくサポートカーに回収されるという憂き目にあってしまった。
ちなみに空気が漏れた穴はこれ。おそらく石を踏んだ時にリムと石でゴム挟んじゃったのかなあ。この程度ならシーラントで塞がるんだろうけど、今シーズン足してなかったんだよな…。ホイール買った時に一年に一回はシーラント足してくださいねって言われていたのになあ…。
そのまま集合場所まで車で送っていただいて、皆さんにお詫びとご挨拶をしてからしょんぼりと車で帰路に着いた。チューブレスタイヤってシーラントがあるから多少のパンクは大丈夫なんて高をくくっていたら、こんな状況になってしまうこともあるのかと思ってちょっと、いやかなり凹んだ…。
よろしい、ならばタイヤ交換だ!
自転車店でタイヤとシーラントを購入
翌日も走る予定だったので、そのまま自転車店に向かってタイヤ交換の相談を。でも修理が立て込んでいて明日までには間に合わないと。ならば自分でやろうというわけで、タイヤとシーラント(どこにしまったか忘れた)を購入して帰宅。
ちなみに、チューブレスタイヤのタイヤ交換の行程は以下のような感じ。
- タイヤを外す
- タイヤをはめる
- ビードをあげる
- シーラントを注入する
- 空気を入れる
ざっくりこんな感じ。Webで検索してみたところいろんな「流派」があって面白かったのでぜひ検索してみて欲しい。
今回購入したのはこいつら。
さあ、ひさしぶりのタイヤ交換、まずはタイヤを外すよ!
さあ、やるべか、というわけで久しぶりのタイヤ交換をしてみよう。
まずビードをベリベリと剥がしながら両側ともリム中央の溝に落としていく。全周のビードが落ちたらタイヤレバーでリムの外にビードを外して行くと簡単に外れてくれる。
ここまではなんのトラブルもなくすんなりと。
よし、新しいタイヤの出番だ
新しいタイヤをパッケージから出して、まずは片側のビードをリムの中にいれていく。
片側が全周リムの中に入ったら、もう一方をリムの中にはめていく。途中からどんどんきつくなっていって、きつくなっていって、キツ…
ぜんぜん入る気がしない!!!
猫にも馬鹿にされているような気がする。しばらく奮闘したあといろいろとWebを漁ってみたら、バルブの反対側からムニムニとビードをリムの中央にある溝に落としながら、バルブ方向に両側からタイヤを寄せていくようにもんでくといいよってのがあった。
そして素直にそのとおりにしてみるとだいぶ余裕が生まれてきた。ここまで来ると嬉しくなっちゃって一気に作業を進めてしまったので写真を撮るのをすっかり忘れてしまった。なにはともあれ、はいったあああああ!
そして指が痛いよ…。
ビードよ、あがれ!
ここが最大の関門、というのは聞いていたのであがってくれるかな、とドキドキしながらやってみたら案の定ぜんぜん上がらない。ちょっと体力的にも疲れてきたのでそうそうに諦めて月曜日になってから自転車店に相談に。で、見てもらったらバルブのところをビードがまたいでしまっていて、そりゃ入らないわ…ってなった。
で、バルブをきちんとタイヤの中に収めてフロアポンプでやってもらったらちゃんと上がる。なんだあ…。家電の取扱説明書で一番最初に書いてある「コンセントはささってますか?」と同じレベルの失敗ではないか…。
ちゃんとビードがあがった(正確にはあげて「もらった」)ホイールの真の姿。
シーラントを入れよう
最後に、また同じようなパンクになっても問題なく走れるようにちゃんとシーラントを注入しよう。
まずは空気を抜いて、バルブコアを専用工具で抜いていく。
アルファベットのAみたいなかたちをしている。
ちなみに、全然関係ないけど札幌市に本社のある坂ビスケットのしおA字フライビスケットはおやつにもビールのスナックにもぴったりなのでおすすめしたい。おいしいよ。
さて本台に戻ろう。
バルブコアを抜いたところから、シーラントボトルの尖ったキャップの先を使ってタイヤの中にシーラントを必要な量だけ注いでいく。一本で4回分となっていて、ラベルに1/4づつ目盛りが印刷されているので、逆さにしてそのぶんだけ注げば完了だ。
シーラントがなかなか入っていかないなー、と思ったらシーラントが入っているボトルのキャップの中で液が固まって塊ができていて出口を塞いでいたよ…。取り除いたらちゃんと入るようになった。規定の量いれたらバルブコアを戻し、ゆっくりとタイヤを回転させてシーラントをタイヤの内側全体に行き渡らせていく。
お願いだからもうパンクしませんように、という願いを込めていつもより余計にまわしていく。おめでとうございま~す*1。
最後に規定の空気圧まで空気を入れて漏れてないかどうかを確認して作業は終了。ついでにフロントホイールの方もちゃんとシーラントを足しておいた。
チューブレスタイヤのトラブル対策
チューブレスタイヤはシーラントがある程度の穴を塞いでくれるから、あまり考えずにこれまで走ってきたのだけれど、今回の件でいろいろと反省した。結論として、この二点はきちんと守ることにした。
シーラントは定期的に状態を確認して注入する
シーラントは入れっぱなしではどんどん効力を失っていく。なので、定期的に補充してきちんと働くようにしておく必要がある。それを怠った事もあって、今回はあの小さな穴でもシーラントの恩恵に預かることはできなかった。
スペアチューブを携行する
シーラントが効かなかった場合でも、タイヤが大きく裂けたりしてチューブがはみ出るような心配がなければクリンチャータイヤで使うチューブを中に入れて走ることができる(ホイールもある)。私のはディープリムホイールなので80mmの超ロングバルブのチューブを御守り代わりに購入して普段のライドの時は携行することにした。
備えあれば憂いなし
今回はホントに自分の怠惰さでトラブルを招いてしまって、イベントを開催してくださったスタッフの皆さんや他の参加者の皆さんにもご迷惑とご心配をおかけしてしまった。本当に申し訳ない。それにしてもこのトラブルが一人で走っているときじゃなくて本当によかったと思う。
今後はきちんと備えて一人の時にトラブってもちゃんと自走して帰れるようにしておかないといけないなあと。レアケースを考えていたらきりがないけれども、自転車乗りとしてパンクへの備えを怠っていたというのは相当に恥ずかしい。気をつけねば。
*1:海老一染之助・染太郎を知っている人がそれなりにいることを願って…