自転車乗りにとって、雪国の冬と雨の日ほど憂鬱なことはない。トレーニングしようと思ってもできないもどかしい気持ちはあまり理解されないけれども本人にとっては大問題。そんな人達の強い味方がZWIFTだ。ちょっと初期投資も必要だけど、はじめてしまえばとても楽しいし、実走にはないメリットもあるので、おすすめしたくてこれを書いてみる。
雪国の悲哀
私が住んでいるのは北海道札幌市で、一年のうち半年は雪と寒さで自転車で外を走るなんて考えられない(とか書くと寒くても雪でも乗ってる人から怒られそうだけど…)のだが、そうするとジムのエアロバイクくらいしかペダルを漕ぐ環境がなくなってしまう。
もちろんジムのエアロバイクやスピンバイクもそれなりにトレーニングにはなるのだろうし、実際スピンバイクのスタジオプログラムはなかなか盛り上がったりするので好きではあるのだけど、やっぱり自分の自転車に乗りたい。
ので、昨年の1月にいろいろ調べたらZwiftというのがとても楽しそうだし、冬の間や雨の日で外で乗りたくないときなどにも使えていいじゃないか! ということに気づいた。
自宅で自分の自転車を漕ぐと、それにあわせて画面の中のアバター(自分の分身)が自転車を漕いで New York や London や ソロモン諸島にあるという設定の架空の島Watopiaを走りまわれる。しかも同時にZwiftにログインしている他のユーザーと一緒に走ったりレースしたり、励ましあったりもできる。なにそれちょっと楽しそうじゃない!
自転車乗りたい欲も高まっていた事もあって、そこから必要な機材を一気に揃えてしまったので、何をどう使っているかを書いていく。
さあZWIFTをはじめてみよう!
何が必要なの?
Zwiftを楽しむために最低限必要なのは、
- ロードバイク
- PC or Mac(iPadやiPhoneなどのデバイスでもいい)
- 固定ローラー(パワーメーター内蔵など)
の3つだ。
それ以外に使っているのは、
- ant+のドングル
- 振動吸収のためのマット
の2つ。
バイクとMacは手持ちのものがあったので、購入したのは
という固定ローラー。パワーメーター内蔵のダイレクトドライブ型の固定ローラーとしてはなかなかコスパがよかった(当時ね)。
内蔵のパワーメーターの数値をもとにZwiftの中の自分のアバターが走ってくれる。通信規格はant+*1とBluetoothが使えるが、心拍計がant+のものしかないので、Macでant+のセンサーが使えるように、
を購入。正確には見た目がそっくりな別メーカーのものだけど、たぶん中身は同じものだと思う。小さくて無くしそうなので気をつけないと…。
セッティング
マンションで固定ローラーを使う時に心配なのが振動や騒音なので、DAISOで
こんなジョイントマットを6枚買ってきて、
こんなふうに並べて
こんなふうに使うたびに設置している。ちょっとめんどくさいけど、ちょっとだけだから我慢する。後輪を外したバイクを固定ローラーのスプロケットにはめてクイックレリーズを締めて固定すれば準備完了。
さあ走るよ
Macにant+のドングルを接続し、自分に心拍計を装着して準備完了。ちなみに使っている心拍計は、
これ。この辺の話もまた今度書くことにする。
Zwiftのアプリを起動すると、
こんなログイン画面に。アカウントを作成して進むと、
ログイン完了。「始めましょう」のボタンをクリックすると、
デバイスの接続を確認する画面になる。心拍計は装着していれば勝手に接続してくれるが、これいローラー内蔵のパワーメーターや、バイクのケイデンスセンサーはペダルを動かして初めて認識してくれる感じでちょっとかったるい。他の機材だと違うのかなあ。
接続すると、
こんな感じで青く表示される。私の場合はこれでOKなので次に進む。
真ん中のコラム上段には「WATOPIA」「NEW YORK」「RICHMOND」と街(あるいは架空の島)の名前が並んでいるので選ぶ。それぞれの場所で沢山のコースが設定されているのでそれを選ぶことも可能だし、「トレーニング」を選ぶとまたいろいろなトレーニングメニューも用意されているのでチャレンジするのも楽しい。
走りはじめると、
こんな感じで自分のアバターが画面に現れる。ペダルを漕ぎはじめると、
自分のペダリング(正確にはパワーメーターで計測したワット数)に応じて画面の中の自分のアバターが用意されているコースを走っていく。同じワット数でも上り坂ならスピードは落ちるし、下り坂ならどんどん進む。Trunoの負荷は固定なので、バイク側でギアを変えて負荷を調整していく。重いペダルを踏んだり、軽くして回すこともできる。
やるなら絶対にあったほうがいいもの
もくもくとペダルを漕ぎながら画面の中のアバターを動かしていると、実走とはもちろん感覚はぜんぜん違うんだけどそれなりに汗が出てくる。実走であれば風を受けてどんどん汗は蒸発していくけど、これは家の中。どんなに画面の中のアバターが風を切って気持ちよく進んでいても実際に体を動かしている自分はまったく風にあたらない。なので「絶対に扇風機を使ってやったほうがいい」。さもないと汗ダラダラになって大変なことになる。自転車がどれだけ汗をかくスポーツか、ということを理解するいい機会にはなると思うけど。
けっこう楽しい、でも…w
けっこう長くなってしまったが、やってみるとセッティングにそんなに手間がかかるわけでもないし、いつでも気軽に自分のバイクにまたがってペダルが踏めるというのはとてもいい。固定ローラーはそんなに安い投資ではないし、これだけの金額を払うならバイクにお金をかけたいところもたくさんあるだろうけど、それを我慢してでも少しでもトレーニングに割く時間を増やせるのは悪くないと思う。
でも、いくら漕いでもそこは自宅。いろんな誘惑に負けたりしてあっという間に飽きてしまったりする。導入して最初の頃はいろいろ試して楽しく乗っていたんだけど、最近はちょっと乗るだけ…が続いてしまっているので、どうやったらZwiftライドが飽きないか、を別の記事で考えることにした。
*1:Garminなどの機器でもよく使われる通信規格